感覚過敏について
感覚過敏とは、
目や耳など感覚器から得た情報が脳で適切に処理されずに苦痛を感じる状態です。それに加えて、個人的には、その刺激によって注意が削がれたり、その刺激以外に意識を向けることが困難になる状態のことを言います。
人によってどの感覚が過敏かは違いますし、また同じ感覚過敏であっても、苦手に感じるものの種類や程度は違います。
たとえば、私は聴覚過敏と嗅覚過敏が主だってあり、触覚過敏もそれなりにありますが、その他の感覚過敏はないように思います。
苦手な音
- 高い声(子どもの声や女性の声など)
- サイレン(救急車)
- 工事現場の音
- 拡声器の音(選挙カー、古紙回収、廃品回収、灯油販売)
- ヘリコプターの音
- 電話の音(固定も携帯も)
- 怒鳴り声(好きな人はいないと思いますが)
- 生活音(包丁で切る音、水道の音、掃除機、食器がぶつかる音など)
- 人の話し声(やけに声が通る人とそうでない人がいます)
こうして列挙してみると、高い音や大きい音が苦手なのはしかたないのですが、一番困るのは人の話し声や生活音で、これは人里離れた森の中に行かない限りどうしようもありません。しかし、森の中にいてもたぶん「鳥の声がうるさい」とか思うに決まっているのです。
苦手な匂い
- 瓜系の匂いの香水
- 甘い匂いの香水
- 柔軟剤
- 女性の髪からただようシャンプーの匂い
- 特定の人の体臭
- 食事時ではないときの食事の匂い
- ランなどの花の匂い
- ゴム(長靴やゴム手袋)
耳は塞いでも生命維持にほぼ支障ありませんが、鼻をふさぐと息ができません。口呼吸ならできますが、ずっとだと口の中がカラカラに乾いて喉が痛くなることでしょう。また、耳栓をしている人と鼻栓をしている人ではどちらも「どうかしたのかな」と思われると思いますが、その程度が結構違うと思います。
苦手な肌触り
- 服のタグ
- 生肉の脂
対策は、
聴覚過敏に関しては、自宅では耳栓、イヤーマフを、外出先ではカナル型のイヤホンを使用しています。音楽を聴く気分ではないときは、無音のままイヤホンだけしています。
嗅覚過敏に関しては、マスク以外にはあまり具体的な対策が考えつきません。
触覚過敏に関しては、気になるタグは外し、肉を切るときは箸等を使って直接触らないなどしています。
また、根本的に
- 生活環境
- 対人関係
- 体調
- 季節や天候
- 経済状況
など、大きな枠組みで負荷を改善できないか検討することも大事です。
参考書
感覚過敏はまだあまり一般的に知られておらず、当事者もその認識がない人もまだ多いと思います。私も私の友人も以下に挙げた本を読むことで「これはそういうことだったのか!」と膝を打つと同時にこれまで何の対処もせずに自らを刺激の暴風雨に晒し続けてきたことに気づきました。
鈍感な世界に生きる 敏感な人たち
イルセ・サン (著)
過敏で傷つきやすい人たち
岡田 尊司 (著)